会長就任のごあいさつ
2025年7月1日(月)
この度、長い歴史ある名張ロータリークラブの第63代会長を拝命することになりました。その重責を強く実感しております。
私が名張市民となって40年余り、振り返れば人生の三分の二を名張で過ごしてきたわけです。初めて名張に来た第一印象は山河の素晴らしさです。四季を通して四季折々の自然を満喫できる赤目四十八滝は類い稀な景勝地です。特に名張の山の稜線の美しさは毎日眺めても飽きることがなく天下一品です。そして私にとって第二の故郷となった名張は、何と私が育った天理と歴史街道で繋がっていたのです。その道は飛鳥時代に大和盆地を南北に縦断する官道(上つ道)と初瀬街道(伊勢街道)です。加えて私の生まれ故郷もかつて東大寺領だったそうで、私は名張とは赤い糸で結ばれていたようです。古(いにしえ)の道は縁の道だったのです。
さて、私がご縁を頂いて名張ロータリークラブに1999年に入会して今年で26年目を迎えました。亡き吉谷昌亮パスト会長年度の6月の例会にゲストで招かれました。例会場は「平安閣」で、会場は経験したことのない何とも上等な大人の雰囲気で満たされておりました。当時は長老のチャーターメンバーの方々も在籍されており、極めて緊張した記憶が残っております。私はあの何とも上等な大人の雰囲気こそロータリーの証であり、ある意味無くしてはいけないエッセンスだと思うのです。
ロータリークラブの本質は慈善ではなく倫理性、高潔性を求めるところにあります。ここが他の慈善活動を行う団体とは違い、ロータリーたる所以なのです。会員一人ひとりの倫理観は自身で磨くしかないのです。最近の日本を見てみると、自分さえ良ければいいという利己的な考え方がはびこり、いわゆる「利他」の考え方がしぼむ一方です。NO.1になること、人に勝ることはどの生業であっても大事です。しかし、少しでも多く儲けて成功すること、人との競り合いに勝ることだけに腐心する者が増え続けると、世の中はどうなるでしょうか?トランプアメリカ大統領は“America First!”アメリカ第一主義を唱えて次々に大統領令を連発して世界中を混乱の渦に巻き込んでいます。ロータリー発祥の国で、その本質の真逆のことが今、起こっているのです。ロータリーの金看板「職業奉仕」“Vocational(天職) Service”、「Service」は倫理的で人の為になる行為です。「四つのテスト」
1.真実かどうか、2.みんなに平等か、3.行為と友情を深めるか、4.みんなのためになるかどうかこれが「職業奉仕」を具体的にあらわしていると言われています。それぞれの生業(職業)を通じてのサーヴィス(相手の為になる行為)こそロータリーの根幹と言えます。日本には近江商人の商売の鉄則と言える“三方よし”の教えがあります。つまり1.売り手よし、2.買い手よし、3.世間よし、この“三方よし”の考え方や道徳教育による「利他の心」の素地が、日本でのロータリーの広がりに繋がったと思われます。
名張ロータリークラブは創立60周年の節目を過ぎて、会員皆さんの協力で若い有望な新会員の入会が叶い、会員の平均年齢が若返りました。今年度は昨年度同様にロータリー活動の基本である例会の充実に努めて、会員みんながロータリーの楽しさを実感出来る新時代の名張ロータリークラブを目指す所存です。ベテラン会員も若い会員と共に学び直しの一年にしたいです。しっかりと“ロータリーの心と原点”を学んで、一番大事な会員同士の親睦もロータリーであればこそ味わえるような思い出深いひと時を共にしたいと思います。
2025~26年度のRIからのメッセージは“UNITE FOR GOOD”「よいことのために手を取りあおう」です。それを受けて玉野英美ガバナーの地区へのメッセージは“RISE with ROTARY”「地区と地域の未来を考えて」とされました。
昨年度より「3年間の目標と計画 3Year Rolling Goal」が提唱され、昨年度亀井直前ガバナーが「地域にインパクトを!」をスローガンに掲げられて各クラブが地域に根ざした活動を展開し、今年度はその2年目となります。名張クラブは昨年度、勝木会長を中心に子供たちへの支援事業を実行されました。今年度は続いて将来の日本を託す子供たちの健全育成を目指して“子供たちに夢をそして感動を”“強い夢はかなう!”を私からのメッセージとして会員の皆さんに掲げて、地域に根ざした事業を実行したいと考えております。会員皆様のお力添えを切にお願い申し上げます。